プロ野球のシーズンが終わり、2022年10月20日にプロ野球ドラフト会議が開催されました。ドラフト会議では各チームが新たな選手の交渉権を獲得し、チームを補強しています。
また、2022年から新しく導入された現役ドラフトも12月9日に開催され、各チームが選手層を厚くしています。
チームの補強が終わった後は、メジャーに挑戦する選手がチームを離れるかもしれません。来シーズン、メジャー挑戦の選手が「ポスティングシステム」を使用して海外チームと交渉します。
「ポスティングシステムってよく聞くけど何なの?」「メジャーに行く方法は他にあるの?」という疑問を持った人に向けて、この記事では
- ポスティングシステムとは?
- ポスティングシステムの移籍金
- 過去のポスティングシス
- テム
- ポスティングシステムと海外FA権の違い
について解説します。
この記事を読むことでポスティングシステムについて詳しくなり、今後プロ野球のニュースがより理解出来るようになります。ぜひ、最後まで読んでみてください。
ポスティングシステムとは?
ポスティングシステムとは、プロ野球選手がMLB(メジャーリーグ)移籍希望時に使用する移籍制度です。海外FA権を持っていなくてもメジャーへ移籍出来る。日本では、「入札制度」とも呼ばれる場合もあります。
ポスティングシステムの流れ
- メジャー挑戦選手の所属チームが移籍を容認。
- 申請期間(毎年11月1日~12月5日)に所属チームがNPB(日本野球機構)に通知する。
- NPBはMLBに通知する。
- 通知の翌日から最大45日間はMLBのチームと交渉出来る。
- 交渉成立で、獲得チームが所属チームに移籍金を振り込む。
チームの認可タイミング
メジャー挑戦選手をチームが容認すれば何時でも移籍出来ます。しかし、メジャーを目指す選手は優秀な選手が多いのでチーム側は出来るだけ手放したくありません。移籍希望選手の海外FA権取得が近づくタイミングで容認することが多いです。(海外FA権は1軍登録日数が9シーズンで取得出来ます)
メジャー契約の規則
メジャー契約には、「25歳以上」で「プロ野球チームに6年以上在籍」と規則があり、これに該当しない選手はマイナー契約になります。
過去に大谷翔平選手が、メジャー移籍時にポスティングシステムを使用しました。その時の大谷選手の年齢が24歳でマイナー契約になってしまい、大谷選手の年俸が2億7500万円から6000万円へと大きな減俸になりました。
ポスティングシステムの移籍金
移籍金は、移籍先のチームとの契約金額(年俸総額)に関連して決定します。
移籍金の計算方法
移籍金の計算方法は、契約金額によって変わります。以下の1~3の合計が移籍金になります。
- 契約金$2500万まで:20%
- 契約金$2500万~$5000万:17.5%
- 契約金$5千万の超過分:15%
これだけだと少し分かりにくいので以下に3つの例を出します。
例①:契約金額が$1500万、移籍金は$1500万の20%
例②:契約金額が$4000万、移籍金は「$2500万の20%」と「$1500万の17.5%」の合計
例③:契約金額が$6000万、移籍金は「$2500万の20%」と「$2500万の17.5%」と「$1000万の15%」の合計
マイナー契約時の移籍金
マイナー契約の移籍金は、契約金額(年俸総額)の25%です。
過去のポスティングシステム
過去のポスティングシステムでは、2012年まで「封印入札方式」、2012年から2017年まで「移籍金額を所属チームが決める方式」で行われていました。それぞれの特徴を解説します。
封印入札方式
封印入札方式は、以下のような特徴があります。
- 取得したいMLB側のチームが入札する。
- 上限が無く、いくらでも入札出来る。
- 他チームの入札額を知ることは出来ない。
- 入札額が最高のチームが交渉権を獲得。
- 交渉が成立すると入札額がチームに振り込まれる
入札額の上限がないため、入札額が高騰する場面もありました。過去にダルビッシュ有選手や松坂大輔選手は移籍金$5000万を超えて、落札されたこともあります。また、交渉失敗した場合は支払いがないため、他チームへ妨害目的の入札が出来ました。
移籍金額を所属チームが決める方式
以下のような特徴があります。
- MLBに挑戦する選手の所属チームが移籍金額を決定する。
- 選手は全てのチームと交渉出来る。
- 移籍金の上限は$2000万まで。
ポスティングシステムと海外FA権の違い
メジャーへの移籍方法は、ポスティングシステムの他に海外FA権の行使で移籍出来ます。それぞれの違いを解説していきます。
ポスティングシステム
- 所属チームが容認すれば、何時でも移籍出来る。
- 移籍先のチームから所属元のチームに移籍金が振り込まれる。
海外FA権
- セ・パリーグの1軍試合登録日数が9シーズン分で取得出来る権利。(145日/1シーズン)
- 国内外全てのチームに移籍出来る。
- 所属チームが許可する必要がなく移籍出来る。
- 移籍金を払う必要がない。
まとめ
今回は、ポスティングシステムについて解説してみました。最後におさらいとしてまとめます。
- ポスティングシステムは、海外FA権を持っていない選手がMLBの移籍を希望する時に使用する移籍制度です。
- 移籍金は、移籍先チームとの契約金額(年俸総額)に関連して決定します。
- 過去に「封印入札方式」と「移籍金を所属チームが決める方式」がありました。
- ポスティングシステムと海外FA権の違いは、ポスティングシステムは「所属チームが容認すれば何時でも移籍出来る」、海外FA権は「年月はかかるものの、自由に移籍出来る」です。
来シーズンは、どの選手がポスティングシステムを使用してメジャーに挑戦するか注目ですね!メジャーに行った選手の活躍を応援していきましょう!
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