2022年9月8日に亡くなられたエリザベス女王(エリザベス2世)。女王は70年間、英国の顔としてイギリスを支え続けていました。
そんなエリザベス女王の人生を知る意味でも、女王にスポットライトを当てた作品を見てみるのはいかがでしょうか?
そこで今回は、エリザベス女王を題材にした作品を紹介していきたいと思います。
『ザ・クラウン』
『ザ・クラウン』は全6シーズン構成となっており、エリザベス女王の軌跡を、時系列を追ってシーズンが進んでいきます。シーズン1では、エリザベス女王とフィリップ殿下の結婚に始まり、女王の戴冠式や歴史的事件にもまれながら、話が進んでいきます。シーズン1は2016年11月4日に公開され、それ以降は約1年ごと順に公開されております。現在ではシーズン5まで公開されており、シーズン6は2022年11月9日より配信予定です。
本作はゴールデングローブ賞や全米映画俳優組合賞の主要部門を受賞するなど、世界中で人気を博しています。
作品情報
- 放送期間:2016年11月4日~現在
- 企画:ピーター・モーガン
- 製作総指揮:スティーブン・ダルドリー
- 配信:Netflix
- 製作:Left Bank Pictures及びソニー・ピクチャーズ テレビジョン
レビュー
『ザ・クラウン』は、激動の時代に生きたエリザベス女王の人生を追体験することができます。歴史的事件の陰に起こる政治家との対立や家族の恋愛騒動、日々大きくなる国民の声の中、エリザベス女王はどのように国を守ってきたのか。苦難を乗り越えて成長していく女王の姿に、心を強く揺さぶられました。
また本作では製作費に100億円以上が費やされており、こだわりぬかれた宮殿の装飾や衣装の細部も見どころの1つです。
『クイーン』
『クイーン』は、ダイアナ元皇太子妃の事件の最中、女王や英国王室の内幕を描いた作品です。
本作は第63回ヴェネツィア国際映画祭に出品され、高い支持を受け、女優賞と脚本賞を受賞しました。また第79回アカデミー賞では、作品賞や脚本賞など多くの賞にノミネートされ、主演女優賞を受賞するなど、世界的にも広く話題になりました。
作品情報
- 日本公開:2007年4月14日
- 上映時間:104分
- 監督:スティーブン・フリアーズ
- 脚本:ピーター・モーガン
- 配給:エイベックス・エンタテイメント
レビュー
エリザベス女王は、これまでに家族の起こした王室の混乱を体験しており、国民の信頼を得るためには、王室の伝統を守ることが最も重要だと信じています。その信念を決して曲げることのない女王の強さが、本作の魅力の1つです。
エリザベス2世を演じるヘレン・ミレンの演技も圧巻です。国王としての女王や、1人になり苦悩する女王などをしっかりと演じ分けており、その演技力の高さに思わず見入ってしまいました。
またブレア首相の人柄も本作の見どころです。ブレア首相は、王室の厳格さに疑問を抱き、大改革をマニフェストに掲げているのですが、決してエリザベス女王に対する尊敬の念も忘れません。それ故に、その改革思想が、決して人気を得るためのプロパガンダではないことが伝わってきて、魅力的でした。
『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』
本作『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外食』は、1945年5月8日、国を挙げての戦勝記念日の夜の話で、エリザベス2世と妹・マーガレットが、ロンドンの街中で自由を謳歌する作品です。
本作は、史実を基に創られた作品で、当時19歳のエリザベス2世が、父・ジョージ6世の許しを得て、王宮の外で国民と共に戦勝を喜んだとされています。
作品情報
- 日本公開日:2016年6月4日
- 上映時間:97分
- 監督:ジュリアン・ジャロルド
- 配給:ギャガ
レビュー
本作は、エリザベス女王の若い頃を描いた作品で、責任感の強いエリザベス2世と自由気ままなマーガレットの対照的な2人が、街を練り歩く軽やかな楽しい映画となっています。
若きエリザベス2世は、気高く芯の強さを見せながらもやはりどこか未熟で、破天荒なマーガレットに振り回されます。初めての経験を積み重ねながら、一夜を通して成長していくエリザベス2世がとにかく魅力的です。
また1945年の戦勝記念日の風景を、史実を基に忠実に再現していて、壮麗な街並みと300人を超えるエキストラで、自分も当時のロンドンにいたような気分にさせてくれます。
全編を通してコメディタッチで描かれているため、普段はあまり見られない女王の魅力を再確認させてくれます。